【1歩目】ファンドレイジングと内部コミュニケーションの関連性

こんにちわ、NPO法人アカツキ代表理事の永田賢介です。
今回が第一回目となるアカツキのブログ『NPOの内部コミュニケーション〜ひとりでできぬもん!』では、NPOの「内部コミュニケーション」をメインテーマに、月1〜2回程度のペースで発信していきます。

なぜ、ファンドレイジングを専門としている我々が、敢えて「共感マーケティング」や「ソーシャルメディアの活用」ではなく、このテーマを選んだのか?今回はその理由をご説明したいと思います。

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まだまだ粗く未完成のものですが、以下は、アカツキが2013年度のコンサルティング事業の現場と、NPOセクターにある他の論文や資料から作成した、ファンドレイジングのための組織アセスメント(評価)ツールです。
4フェーズ/8レベル/24段階の項目で、ファンドレイジングが適正に実施できているかの組織体制を見ることが出来るようになっています。

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アカツキが普段、「寄付を集めたい」というご要望の団体にお話を伺うと、そのほとんどが【 戦術 】のフェーズのご相談です、クラウドファンディングや、クレジットカード決済や、共感を得るプレゼンの方法などをお知りになりたい。と。

でも、それらのツールやノウハウはあくまでも手段でしかありません。まずガムシャラにやってみる!の前に、例えば、自団体の強みや弱みを知っているか、既存の支援者層の分析ができているか、という【 戦略 】の部分のお話を掘り下げていくと、ほとんどの場合、答えはNOです。

更に詳しくお話を伺っていくと、そもそもどんな課題解決のためにお金を集めたいのか、いくら必要なのか、どのようなメッセージで寄付を依頼するのか等、【 組織づくり 】のフェーズの話が、団体内部で共有されていないことも少なくありません。

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実感でしかありませんが、もし10のNPOがあるとしたらそのうち7くらいは、この【 組織づくり 】のフェーズが曖昧なまま、寄付集めを始めようとしています。

もちろん、無理にスタートできないことはないと思いますが、それが、支援者や団体にとって良い結果になるとは、我々は考えていません。人様からお金を預かって社会的な事業で成果を出すには、一時的な盛り上がりではなく、きちんと継続する力が必要ですし、誠実さと準備が不可欠です。

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ただ、これは逆に言えば、ファンドレイジングに取り組もうとすることによって、団体内部の状況が明らかになり、そこに向き合う力が生まれてくるとも言えます。

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「利益の最大化を目指す」という非常に明確な基準と目的のために、構成員が力を合わせやすい営利企業と異なり、NPOの場合は「ビジョン」や「ミッション」といった、団体ごとに異なる 軸 を自分たちでつくり、逐次合意形成しながら進めてゆく難しさがあります。

もちろん、Organization ですから、代表一人が決めて、それに合わせていくというのも違います。仕組みや数字だけでスムーズに進むわけではない、人と人がいちいち、話し合いながらケンカしながら、一見、回り道のようなプロセスを経るのがNPOの特徴です。

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「NPO団体内部のコミュニケーション」が豊かになれば、ファンドレイジングだけでなく、様々な面で経営状況が改善し、活動が活性化していく。我々はそう信じて、地道な取り組みを続けています。

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今後このブログでは、主にアカツキが学び・実践してきた内容を元に、内部コミュニケーションをより良くしてゆく具体的なノウハウやツールをご紹介していく予定です。

以下は、(仮)タイトルですが、お楽しみにお待ちくださいませ!
・代表が満足していない組織ほど良い
・情報格差と共有の重要性
・新ニックネーム制度のススメ
・会議はプライベートな話題から
・全てのコミュニケーションは誤解から始まる

文責:永田賢介