【8歩目】ジムキョクさん とは誰か?

こんにちは、NPO法人アカツキ代表理事の永田賢介です。
アカツキのブログ『NPOの内部コミュニケーション〜ひとりでできぬもん!』、毎度実は少しドキドキしながら、タイトルを煽り気味につけています。

さて、第8回目となった今回のテーマは、スタッフの役職・肩書について。皆さんは「ジムキョク」と聞くと、どのような立場の人を思い浮かべますか?組織においてよくあるのは、裏方の事務担当者…つまり、会計・税務、労務、法務など、バックオフィスと呼ばれる部門のことを指すケースです。

それと対比して存在がイメージされるのは現場の事業担当者、プレイヤーです。例えば子どものケア、介護、ワークショップの実施、ツアーの案内、などなど。企業で言えば、モノやサービスをお客さんに売る営業担当や、企画開発部などの花型部署でしょうか。

分業による専門化や効率化を追求して、こういう役割分担をする団体は多いと思いますが、アカツキは基本的にそのような形式にはせず、職員=事務局職員と呼び、事業担当者との区別を行っていません。

常勤職員の3人ともが、事業担当者つまりコンサルタントであり、かつ同時に、経理事務や決算・定款変更・事業報告書の提出・労働保健の手続き・寄付者名簿の管理・領収書の送付などを担っています。
(但し、非常勤で週2日だけ出勤の黒田については、経理とファンドレイジングの一部のみに限定していますが。)

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理由は簡単で、現場と事務・オモテとウラ、それぞれの仕事と、組織が回る背景の仕組みを把握しておく必要があることと、何より、なんとなく事業担当者の方が上で、ジムキョクさんが下 みたいな関係にしたくないからです。

「そんな非効率なことをしなくても、うちは明確に役割分担しているし、お互いの仕事にリスペクトを持って対等に仕事をしている。」と仰る方がいらっしゃるかもしれませんが、ただ、多くの場合それは、代表や事業担当者側から聞こえてくる声のことが多い気がします。

ジムキョクさんは毎日事務所の中で、地味でコツコツとした仕事をこなし続け、相談できる相手がいなかったり、受益者や支援者の声を聞くチャンス、横のつながりをつくる場も多くありません。誤解を恐れずに言えば、ストレスを発散できる場や、自分の仕事を評価される機会が少ない。疲弊しやすかったり、やりがいを感じにくいと言えるでしょう。

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対して、事業担当者として常に現場にいれば、日々やることがドラスティックに変化したり、受益者や支援者から感謝されることも多く、ネットワークも広がる。事業活動が評価されれば、マスメディアから取材されるのもこの人です。地味な事務作業を一切行うことがなければ、自分の力だけで成果を出したと勘違いしてしまうことも有るかもしれません。(これは、代表理事や理事長にも言えることです)

特に、認定NPO法人を取得するような事を考え、事務組織基盤やガバナンスを強化しようとすると、バックオフィスには大きな負担がかかります。非営利の総務を高いレベルで維持するには、かなりの専門性や時間的コストが必要とされるからです。
参考:「NPO法人運営のコツ!一緒に認定NPOへのステップアップを目指しましょう!」 by 認定NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

この3年間、アカツキは福岡県の「認定取得促進事業」を受託事業として実施しており、コンサルティング支援で団体内部に入りますが、やはり実際に認定申請ができる団体は、バックオフィス側がお手伝いのような扱いをされず、きちんと権限があったり、尊重されているところのようです。

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事業は順調に拡大しているのに、バックオフィスは何となくで続けていて実はガタガタ。例えるなら、上半身は筋肉ムキムキなのに、下半身は子鹿のようにフラフラ そんなイメージの組織体制では、ある程度の場所で成果を出せずに留まってしまうでしょう。

そこを越えていくのは、事業の専門的知識が多く、子どもに好かれ、お年寄りに好かれ、企業と対等に渡り合い、行政と交渉でき、マスメディア映えするカリスマ的事業担当者や代表 ではなく、事務所で一人PCに向かうジムキョクさんです。その人が誰にどう評価され、どう感謝の声を届ける仕組みにするか、やりがいを感じてもらうか。(正直、アカツキもまだ不十分だなと思っています…。。。)

アカツキもいずれ組織が大きくスタッフが多くなれば、コンサルタントとバックオフィスに分けて仕事をする必要があるのかもしれませんが、行けるところまで、暫くはこの体制を続けてみようと思います。
皆さんの団体はいかがですか?

 

*本ブログの写真は、アカツキで唯一ジムキョクさん(オカン)であり、2016年度で職員卒業となる、くろろんに敬意を表しフィーチャーしてみました!!