【5歩目】CCしてますか

こんにちは、NPO法人アカツキ代表理事の永田賢介です。
アカツキのブログ『NPOの内部コミュニケーション〜ひとりでできぬもん!』第四回目には、組織の風土や文化というような、抽象的なテーマで書いたので、今回第五回目は非常に具体的かつ基本的なツールの運用の話にします。

「CC」

パソコンを使って仕事をする人なら、当然知っているであろう、Eメールの基本機能の一つです。
念のため、改めて確認をしておくと「CC」は、Carbon Copy=カーボン・コピーの略、つまり日本語で言えば「複写」ですね。

自分がメールを送りたい宛先は通常「TO」の欄に入れ、一緒に見て欲しい人は「CC」、一緒に見て欲しいけど「TO」の相手にはそのことを知られたくない という場合には、「TO」の方からは非表示になる「BCC」という機能もあります。

さて、この「CC」ですが、NPOの皆さん使用してますでしょうか。ビジネスマナーでは当たり前と言われるこの機能ですが、普段仕事をしていると、アカツキ側は常に事務局(永田・佐々木・松島・黒田)全員が共有できるようCCを入れていますが、先方は代表の方や、担当の方とのやりとりだけになりがちです。

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今更ではありますが、改めてここで「CC」の価値をご紹介していきましょう。

1)今自分がどのような仕事をしているのか、団体の他のメンバーに知らせ、共有することができる
→仕事の内容だけでなく、抱えている量がお互い把握できればサポートしやすいですし、先方との関係性がわかっていれば、例えばクレームを未然に防いだり、発生した際の対応がスムーズになります。

2)発信したメールの内容が、団体公式の見解であることを先方に伝えることができる
→担当者だけでやりとりをしていると、その人個人の判断や責任だけでメールを書くことができてしまいます。CCで同僚や上司が入っていれば、団体の中である程度権限委譲、または合意形成をしているというメッセージを伝えることができます。

3)メールを書く際に、団体の他のメンバーが見ているという緊張感とマナーをつけることができる
→CCを「監視されているようで好きではない」という人もいますが、仕事としてのメールのやりとりであれば、団体の他の人に見られて困るような内容や書き方は避けるべきでしょう。敬語やマナーを意識するトレーニングにもなります。

(なお、番外編ではありますが、とある、若い女性数名だけで仕事をしていた知り合いの方は、個人アドレスだけでのやり取りから、CCを入れるようになったことで、取引先からのデートの誘いやセクハラが無くなった ということを言ってました。。。)

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なお、この「CC」の機能を使わなくても、団体の業務で使用するメールアドレスを、info@〜などの公式アドレスに一本化することで、上記の123は満たすことが出来ます。

ただその場合は、顔の見える関係性が作りにくいことや、先方がメールを書く際にやや緊張感があること、全てのメールが「TO」として全メンバーに届いてしまうので、誰の担当かチェックして振り分けるタスク量が増えてしまうというデメリットもあります。
ここは、好みや団体の性質によって使い分けでもいいのかもしれません。

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最後に、アカツキは基本的に、FBメッセージでの外部との業務内容のやりとりを禁止しています。

もちろん、メールアドレスを知らない方のお名前で検索できるなど、ファーストコンタクトには双方非常に便利ですが、基本的には個人間の非公式なやりとりになってしまうこと(グループでの同報送信自体の機能はありますが)、また、チャット形式のため履歴を遡るのが難しく、検索もできず、記録としての機能が低いためです。

もしかしたら「今時Eメールなんて…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、重要なのはどのツールが良いか悪いかではなく、どういう目的のために、誰とコミュニケーションをとるか、そしてどういう運用方針であれば、便利なのかを話しあってきちんと決めて行くことです。

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一人が決めて、他のメンバーが付き従って行く というわけではない、多様な価値観や考えを尊重して、合意形成しながら社会を作っていくための、NPOのしくみを活用し、その力を発揮していくこと。
それは言うなれば「急がばまわれ」的な価値観なのかもしれません。

組織内のコミュニケーションを円滑にしていくためには、「情報」「価値観」「解釈力」のズレを減らしていくことが重要 なんてことを以前ビジネススクールで学んだことが有りますが、このあたりの話はまたいつか。

まずは情報から。メールの「CC」を、もっと活用していきませんか。