AKBNファンド[会計特化型]第2期・助成事業振り返りインタビュー(NPO法人バングラデシュと手をつなぐ会)

認定NPO法人アカツキが約二年間をかけて開発し、2018年度に初めての助成を行った、立ち止まり対話するための助成金「AKBNファンド」。

二期目から新たに加わった会計特化型の助成先となった「バングラデシュと手をつなぐ会」の野田さん・山田さん・末岡さん・河村さんに、助成終了後の振り返りインタビューを実施させて頂きました。

聞き手は本助成の資金拠出と支援の両方の形で関わってくださった、税理士の末吉祥子さん、AKBNファンド第二期当時の選考委員であった井上さん・大倉さん、そして職員の永田・白神です。

提出された助成事業報告書と併せてこちらで公開致し、アカツキ会員の皆様へのご報告とさせて頂きます。

助成事業報告書は こちら でご覧になれます(PDF)

― 助成事業報告書の中での成果として、「事務局スタッフの対話が深まった」とありましたが、具体的にはどんなことでしょう。

「この助成の期間中に事務所を移転しました。以前は病院の一部スペースを間借りしており、団体外の方もいたので、内部の話はしにくいところもありました。今は、自分たちの拠点という感じがするので、時間の使い方として、“作業”だけでなく、“雑談”もできるように変わりました。

「気が置けない仲間とおやつを食べる時間も大事にしており、その雰囲気だからこそ出やすくなる話もあるので、場は大切だなと思います。スタッフ同士良い意味で気を遣って、質問しやすい雰囲気ができてきたように思います。」

 

― 同じく報告書の中で、「ファイル書類の整理整頓ができた」とありました。もう少し聞かせてください。

「同じ書類が、複数のファイルにバラバラと重複していたものを整理したことで、作業効率が格段に変わりました。以前は、『この書類はどこに挟もうか?』と悩んでいましたが、今では、『ここに入れればいい』ということがわかりますし、過去のものを探す時もスムーズになりましたね。全体の量も半分以下になったので、ビフォー/アフターの写真をとっておけば良かった〜と思いました(笑)」

「事務所移転に合わせて、データをクラウド上に置き、自宅で作業ができるようにしました。あわせて、自宅での作業分も厳密に勤務時間として管理し、給与計算ができるようにしています。自分が気になっているデータが簡単に見られるので、実際に把握しようという気持ちも湧くし、データをもとにして、メンバー間でスムーズに話ができるようになりました。

- 立ち止まり対話する取り組みの中で、アカツキの支援はどのように機能していたのでしょうか。

「話を聞きながら、ホワイトボードに書いて整理をしてくれるので、道筋がわかって助かりました。大変だったと思いますが、板書がなかったら、混乱したままで終わったかもしれません。」

「その時、している話の全体像を的確にまとめてもらえるので、現状をインプットした上で、今後の方向性を考えることができました。」

-事務局同士や、または事務局と理事など、意見がぶつかったことはありましたか?またその時、どうされましたか?

「事務局同士で、ぶつかることはないですね。理事会を月1回という頻度でやっているので、何か判断に迷うことがあれば、そこで解決できています。」

「理事の河村さんが、今事務所になっているコミュニティスペースの家主でもあり、事務局と日常的に話をしてくださるので、理事会との間の橋渡し的な役割を担ってくださっているのが、とても助かっています。」

 

「バングラデシュと手をつなぐ会」は、助成期間中に、事務所の移転や新しいメンバーの参加など色々なことが重なり、タイミングよく、必然的に立ち止まることになりました。

そのため、必ずしもAKBNファンドの成果と言い切れない部分もありますが、インタビューの最後に「一言でいうとアカツキは『触媒』の役割をしてくれたように思う。」と言ってくださったことには、取り組みの主体はあくまでも団体であったことが伺えました。

会計特化型は、アカツキと一緒に末吉税理士が団体に訪問し、海外への送金手続き方法の見直しや、会費の会計年度の処理などをサポートしてくださいました。同じことを伝えるのでも、専門的な知識や背景がある税理士がコメントしてくださることで、団体側も安心して施策を進めてもらえる影響があったように思います。

本当にありがとうございました。

 

文責:永田賢介(認定NPO法人アカツキ理事・職員)