【7歩目】ミーティングにこそプライベートを

こんにちは、NPO法人アカツキ代表理事の永田賢介です。
アカツキのブログ『NPOの内部コミュニケーション〜ひとりでできぬもん!』、月一回で亀の歩みのブログも、今回で第七回目となりました。

さて、NPOに限らず、会社組織でもどのような形態の団体でも「ミーティング」は行っていると思いますが、どのような雰囲気でしょうか?

・代表が一人でしゃべり続けている
・殆どの時間が報告事項で過ぎる
・誰からも意見が出ない
・以前決めたことが蒸し返される

などなど、様々な課題があり、頭を抱えているけれどどう改善してよいかわからない というご相談を受けることも少なくありません。

会議進行の技術を向上させるため、例えば『ミーティング・ファシリテーション入門 市民の会議術』のような、ファシリテーションの本も出ており、そのような知見もぜひ団体に取り入れていただきたいと思いますが、今回は少し視点を変えて、アカツキが設立時から行っている工夫をご紹介します。

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それは、タイトルにもある「ミーティングにプライベートを持ち込む」ということ。

勿論、ミーティングの間中ずっとおしゃべりの時間をごっちゃにしている訳ではありません。事務局ミーティングや理事会の、最初の15分〜30分くらいを使って、「最近の出来事」「今日のお題(例えば、年末古い友人と会ったらどんな話をする?好きなおでんの具は?など)」で、インターン等含む参加メンバー全員が一言ずつ話します。

そこでは、最近悩んでいることや、体調、家庭の状況、趣味の話、人生における価値観などが出てきます。直接、仕事に関係無いように思えても、実はその人の業務のスタイルや、効率性に大きく関係しているので、お互いのことを知っておくことには大きな意味があります。

また、人は心理が先にあって行動が変わるのではなく、行動を変えることで心理的に変化が起きると言われています。つまり、考えがある人が必ず意見を口に出しているのではなく、何か口を動かして喋っているうちに、考えが整理されたり、発言しやすいモードに変わっていく ということです。

(似たような効果として、ミーティングにお茶やお菓子を準備して、食べながら話すというものもあります。)

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ただ、実際に仕事仲間と、プライベートで友人関係である必要性は無いとも思っています。

アカツキは若いメンバーで仲良くワイワイとやっているイメージで見られ、実際に理事会などはそんな雰囲気ですが、メンバー同士がプライベートで遊びにいくことやは実はほとんどありませんし、全体での飲み会も年に1〜2回程度です。その一方、お互いの家族との面識があったりもします。

それぞれの生きる世界や生活を尊重し、お互いに最適な距離感を測っていく。もちろん、その結果友だちとして仲良くなることもあるでしょうが、それは団体の雰囲気や・個人によって異なります。

時に、議論でぶつかり合って気まずくなった関係をクールダウンする時間や距離も必要になりますし、内部のメンバー同士では話すことができない、グチや不満を吐き出す先としての、団体外でのNPOの横のつながりも大切になるでしょう。

組織は「仲良しサークル的なコミュニティ」か「仕事だけのドライな付き合い」の、どちらかだけを選ぶ必要はないのではないでしょうか。アカツキは自分たちの距離感を“親戚のような関係”と表したりしています。

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最後にもう一度。貴重なミーティングの時間ではありますが、だからこそ急がばまわれ。騙されたと思って「最近の出来事」タイムを設けてみては如何でしょうか。

※本ブログ記事の写真には、アカツキ2012年度理事会のものを使用しています。

文責:永田賢介