【募集期間4/2〜5/7】立ち止まり対話するための助成金「AKBN(アケボノ)ファンド」第4期
助成プログラムの概要
認定NPO法人アカツキでは、2018年度からNPO向け助成金のプログラムを開発・運営しています。
その名も立ち止まり対話するための助成金「AKBN(アケボノ)ファンド」。団体の事業推進ではなく、ミーティングや会議にしっかり時間をかけるための資金を拠出します。
募集要項と応募書は、こちらのリンクからダウンロードください。
私たちの団体名である「アカツキ(暁)」は、日本語で、夜明け前のまだ暗い時間帯のことですが、今回のプログラム名とした「アケボノ(曙)」は、それより少しだけ後の、夜が明け始める頃を指します。
コンサルティング組織である我々はあくまでも裏方、社会課題やまちづくりの現場最前線にいる、団体やその受益者・支援者・一人ひとりの市民こそが、陽の光のあたる主役だ という想いを込めて名付けました。
助成プログラムの趣旨
『長期的な成果のために立ち止まる』
一般的なNPO向けの助成金や補助金は、新規事業開発や事業推進のための資金であることが多く、中には職員の人件費に使えないものもあります。そのため申請・取得のタイミングや量を間違えてしまうと、イベント実施や報告書作成といった目の前の仕事に追われ、準備や振り返りのような、組織にとって土台となる大切なこと・大切なひとに目を向けることができないまま、時間が過ぎてしまうことも少なくありません。
そこで本助成金プログラムは組織基盤整備の根本として、すぐ側にいる理事・職員・支援者と対話するために、立ち止まり、足元を確認することを目的に設立されました。「短期的な成果や収入に結びつかないが長期的に見て重要な取り組み」に必要な、管理部門の人件費やその他の費用を助成し、支援を行う制度です。
『多様なコミュニティを自団体から実現する』
具体的な使途・取り組みとしては、以下が挙げられます。
・団体が目指す目的をはっきりした言葉にする
・信頼できるメンバーを見つける
・内部コミュニケーションの風通しを良くする
カリスマでなくても、優秀でなくても、ごく普通の市民同士が語り合い、ぶつかり合い、違いを認め合う。対話を通じた、多様な価値観と多元的な関係性が同時に成り立つコミュニティにこそ、市民社会の可能性があると考えるからです。
『参加と協力の仕組みを育てる』
寄付やボランティアという形での参画には、それを受け止めて活かす力。つまり、上手な募集方法に加え、それぞれが持ち寄ったお金や時間に合わせた準備・フォロー・報告やお礼など、工夫や努力がNPO側に求められます。
アカツキの考えるNPO法の理念は、単に社会課題解決のための事業の推進ではなく、社会課題の解決や新しい理想のまちづくりの"プロセス"に、より多くの人が当事者として参加・協力していけるようになることです。それにより人々が互いに勇気付けられ合い、自分の可能性を知り、ゆるやかなつながりと居場所を見い出していけると信じています。
「持ち寄って働く、寄り合って暮らす。それぞれの『私たち』に拓かれた社会へ」このアカツキのビジョンに共感し、今、立ち止まる勇気を持ちたい皆さんからの応募をお待ちしています。
前年度からの変更点
・アカツキのコンサルティングをセットで行っていたものを、外しました。
・大口の寄付を頂戴したこともあり、採択件数を増やしました。
助成期間
2021年6月1日から2022年3月31日まで
助成金額/件数
Aタイプ・「想い」と向き合う:20万円以内/3件
Bタイプ・「数字」と向き合う:10万円以内/1件
*Bタイプ:「数字」と向き合うのみ、アカツキと末吉祥子税理士による支援(2時間×3回程度)のサポートがセットになります
対象となる費用(※)
話し合いの取り組みに必要な人件費、ミーティング会場費、交通・宿泊費、飲食費、文具等消耗品費、話し合いの進行役への謝金 など
*事業費については、人件費・その他の費用共に対象外です。
*Bタイプ・「数字」と向き合うは、上記に加えて、会計ソフト・プリンター・PC・ファイルなどの事務所備品や、棚などの什器も対象となります。
対象となる取り組み(例)
▶︎Aタイプ・「想い」と向き合う
受益者や支援者の声を元にした事業改善、現場での判断基準の明確化、メンバー間の相互理解促進、組織の目指す方向性のすり合わせ、理事や職員に求める能力/資質の言語化等の目標のために、メンバー間の考えや想いと現状を共有し、対話する取り組みが対象です。
▶︎Bタイプ・「数字」と向き合う
売り上げや寄付金増・利益率の改善、実効性の高い予算書や決算書の作成、キャッシュフローの大まかな把握、日々の会計処理や書類保管の効率化等の見直しや改善のために、代表や会計担当者だけでなくメンバー間で数字を共有し、議論する取り組みが対象です(税務に関する支援は対象外となります)。
対象となる組織(推奨)
・福岡県内に主たる事務所をおくNPO法人
・2名以上の有給スタッフがいること(常勤/非常勤等は問いません)
・年間の財政規模が200〜3000万円程度
・自己財源(次年度も継続が見込める収入)比率30%以上
*本プログラムの効果が出やすい推奨としての目安であり、申請の必須条件ではありません。判断に迷う場合はお問い合わせください。
選考基準
・応募書の記載内容が具体的で実施に妥当性があるか
・事前に団体内部で取り組みの合意を行なっているかどうか
・取り組みに割く時間を確保しているか
・事業の財源に持続性(自主財源向上)を意識しているか
・団体が受益者と支援者に対して対等な関係性を築いているか
・団体の事業内容がビジネスに偏りすぎていないか
・NPO法人として所轄庁への事業報告書等の提出を行っているか
選考方法
1)応募書による書類審査(必要に応じてお電話で追加確認)
2)Web上に公開されているWebサイトや事業報告・決算書等の閲覧
3)審査委員によるヒアリング(5月15日(土)を予定)
*応募多数の場合は、1)2)をもって一次審査とさせて頂く可能性がございますので、あらかじめご承知おきください。
終了後の報告
・A4用紙2枚程度の報告書類をご提出いただきます。
・領収書等の添付は必要ありません。
・終了後、振り返りインタビュー記事をWeb等に公開させて頂く予定です。
*助成期間中においても、取り組みの内容をWebやSNSに公開させて頂くことがございます。内容は可能な範囲で結構です。
財源について
本ファンドの資金は、正会員・サポーター会員・つきつきサポーターから頂戴しました会費とご寄付、また末吉祥子税理士、三浦徳子弁護士からのご寄付を活用させて頂いております。
▶︎末吉祥子税理士からのコメント
末吉です。NPOの会計税務に携わっています。また一個人としてさまざまなNPOに寄付をしてきました。そのなかで、お金ではなく他の方法で寄付をした方が良いのではないか、会計処理の質問に答えるだけでは足りないのではないか、という疑問がわいてきました。
アカツキさんに相談にのっていただいたご縁で、会計に特化した助成金の枠を提供できることになりました。アカツキさんのコンサル・少額ですが助成金・私の実働の寄付の3点セットです。アカツキさんとご一緒させていただくこと、皆さまとお会いすること、楽しみにしております。
▶︎三浦徳子弁護士からのコメント
2020年は、私自身の「立ち止り元年」となりました。
裁判所の期日が飛び、事務所の電話が鳴り止んだ中、私は、暇人生活を送ることにしました。日の出とともに起き、日の入りとともに家に帰る日々。売上は少なくなっても、こういう生活の方が人間らしくていいなぁ・・。
一方で、この有閑生活を可能にした多少の蓄えが、生存するためには立ち止れない人々や自然破壊によって成り立っていることにも、お恥ずかしながらようやく気付かされました。
初めて、「立ち止る」とはこういうことか、と思い知った気がします。
AKBNファンドの先見性には、当初から敬意を感じていましたが、2020年は、それを、肌身をもって痛感した一年といえましょう。
ともするとデジタル信仰、専門家崇拝などの成長/効率教に飲み込まれそうになる時世ですが、最後に生き残るのは、血と息と情の通った道行(みちゆき)を愛でるアナログ人であると確信します。
これからも時代の先の先を行くAKBNファンドの成り行きに注目しています。
応募締め切り
2021年5月7日(金)23:59
*選考結果は、5月20日頃に応募団体への個別メールでお知らせします。
また採択団体については、アカツキwebサイトでも発表いたします。
公募説明会
同内容を2回、オンライン(Zoom)にて開催します。
・2021年4月10日(土)13:30〜14:10(終了後20分間相談会)
・2021年4月15日(木)19:30〜20:10(終了後20分間相談会)
参加を希望される方は、下記メールアドレスまでお申し込みください。
説明会お申込/書類提出/お問い合わせ窓口
info@aka-tsuki.org(担当:永田)
説明会で頂いたご質問への回答
A1:「対象となる費用」について、リモート会議用のPC、タブレット、イヤホン、マイクなどの機材を購入することは可能ですか。
Q1:可能です。当初の公募要領では、想定・記載できていませんでしたが、コロナ禍においては、ぜひ前向きにご活用頂きたいと思います。
A2:「対象となる費用」の、話し合いの進行役への謝金を活用して、アカツキにコンサルティングを依頼することは可能ですか。
Q2:可能です。但し、もともと、資金支援と能力支援の2つの役割が重複することの権力性を回避するためにコンサルティングのセットを今年度から外しましたので、その点ご理解頂けましたら幸いです。
A3:「想定している対象組織」では、福岡県内のNPO法人と記載がありますが、県外からの応募でも採択される可能性はありますか。
Q3:採択の可能性はあります。昨年度も一般社団法人が採択されました。効果の出やすい「目安」として対象を設定しましたが、地域よりも、選考基準に書かれている、取り組み内容や組織文化が優先されます。
A4:「想定している対象組織」に比べると、自団体の財政規模は小さく、活動も開始したばかりですが、それでも採択される可能性はありますか。
Q4:採択の可能性はあります。最初にしっかり話し合ってから動く方が、結果的に事業展開もスムーズです。規模模や活動年数よりも、選考基準に書かれている、取り組み内容や組織文化が優先されます。