AKBNファンド第1期助成事業振り返りインタビュー(NPO法人改革プロジェクト)

認定NPO法人アカツキが約二年間をかけて開発し、2018年度に初めての助成を行った、立ち止まり対話するための助成金「AKBNファンド」

その助成先となった「NPO法人改革プロジェクト」代表理事の立花さんと、理事であり本事業のメイン担当であった高堂さんに、助成終了後の振り返りインタビューを実施させて頂きました。聞き手はAKBNファンド選考委員のお一人で、アカツキ正会員でもある宇都さんと、職員の永田です。

提出された助成事業報告書と併せてこちらで公開致し、助成金の原資を担ってくださっているアカツキ会員の皆様、助成プログラム開発資金寄付者の皆様へのご報告とさせて頂きます。

助成事業報告書は こちら でご覧になれます(PDF)


― AKBNファンドの助成金を活用し「立ち止まり対話する」ことを始めてみて、どの時点で組織の中に変化を感じることができましたか?

高堂「1回目の話し合いが終わった後すぐですね。中期計画の話をする中で、メンバーから『今まで使わなかった部分の頭を使った気がする、疲れるけど楽しい』という発言が聞けたことが嬉しかったです。それまでは代表の立花がリーダーで、メンバーは運営、社長と社員のような気持ちがどこかにあったのかもしれませんが、皆で話し合うことを通して、「事業実施」から「組織運営」に関わっているという、当事者的意識に切り替わったと感じました。組織を背負って発言している気がする、団体としての結束力があがったと思います」

 

― 逆に、今回の取り組みの中で、予定通り進まなかった自分たちに対する反省点や、アカツキに期待する改善点はありますか?

高堂「中期計画が完成したのは良かったのですが、そこまでで当初予定された時間を使ってしまい、具体的なファンドレイジング施策までたどり着けずに終わってしまったのは残念でした。

団体の事業規模や扱う資金が大きくなりつつある中で、メンバーの中にも、同様に時間を使うのであれば現在の規模を基準として更なる成長を考える人と、無理がないと思えるサイズに縮小しても構わないという人で認識が分かれているように感じます。

ただ、現在大阪マラソンによる収入が全体の6〜7割を占めているため、別の収入源を育てて確保しなければいけないのですが、その分、年間のかなりの時間を大阪マラソンの準備に使っているので、どのようにスライドさせていくのかが今後の課題です。

 

― 今回、助成金とセットで、アカツキが伴走コンサルティングに入らせて頂いたのですが、外部の人間が介入する価値は何だと思いますか?

高堂「まず、団体とコンサルタントの相性次第かもしれませんね。うちの場合は、自分の価値観を押し付ける人だったらダメだった、メンバーとの出会いの1回目がキーで、そこで印象が決まってしまう。アカツキさんの良さは、団体側の発言をしっかり聞いた上で、そこにプラスワンして返してくれるところ、また、煮詰まった時にはキーワードを入れて空気を変えてくれるところだと思います。

立花「団体の代表としては、会議で自分が司会進行にたってリードしなくていいところ、一参加者として発言できるところが助かりますね。大阪マラソンのチャリティランナーとして、フルマラソンに出てもらえたことも、メンバーにとって好印象でした。本当の伴走ですね!(笑)」

 

― 組織に、コンサルタントなど、外部の人間が入る際の懸念事項は何でしょうか?

高堂「その方の人柄や持っている価値観を、事前にSNSの投稿等を見て把握し、内部で検討しておく方がいいかもしれませんね。僕たちはアカツキのカラーと噛み合ったから結果的によかったのですが、コンサルタントにも2タイプ、『型にはめるタイプ』と『聞いて寄り添うタイプ』がいる気がします。どちらが良い悪いではなく、団体との相性次第だと思いますね。

 

― 今回の取り組みの終了後、「立ち止まり対話する」取り組みは継続されていますか?

高堂「助成金の影響かどうか、はっきりとはわからないのですが、以前よりLINEなどの情報共有ツールでの返信速度が上がった、代表以外のメンバーからの発信・投げかけが増えたというように感じます。」

立花「『やることリスト』に入れていた、企業への寄付依頼のための会議・支援者へのお礼強化・関係者の洗い出しと可視化等の取り組みは実施できていました。しかし、中期経営計画書自体は完成後、大阪マラソンなどでバタバタしていて、実は暫く見返すことができていませんでした。作って終わりではダメなので、年明けから格納場所を誰でもわかりやすい場所に変更し、理事会で確認するようにしたところです」

 

― 今回の取り組みを経て、一番意識した・印象に残った言葉やキーワードを教えてください。

高堂「アカツキさんに言われた『(改革プロジェクト中心メンバー)5人の組み合わせがゴレンジャーみたい』という表現が気に入っています。リーダー中心のウルトラマン体制から、チーム主義の戦隊モノへ変わったような気がしています。

 


改革プロジェクトのお二人には、色々とお話を聞かせて頂きありがとうございました。アカツキの中でも、今回の取り組みの中での気づきや今後改善したい点が見つかりました。

特に、2期目の応募状況含め、予想以上に無料の伴走コンサルティング支援に注目が集まってしまったことは嬉しい反面、課題だと感じてもいます。「コミュニケーション促進のために管理費の拠出する資金」という本質にもっと光をあて、より良い助成プログラムにしていくため、今後も更なる工夫と小さな改善を続けていきたいと思います!

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