認定NPO法人制度があぶない!?税制優遇はどうなるか?

先日5月9日に、税制改革緊急イベント「認定NPO制度があぶない!?」が
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会により開催され、130名の関係者が集合。アカツキ代表理事の永田も、準備・運営のボランティアを兼ね、参加しました。
▶イベントの報告はこちら

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2011年、市民の手によって、歴史的な法改正が行われた「認定NPO法人制度」は、認定NPO法人等に寄付した個人・団体が税制優遇を受けられるようにすることで、NPOへの寄付を促進する制度です。市民からの積極的な寄付によって支えられる認定NPO法人は、認定の申請・継続時に青色申告と同等の会計処理を求められるため会計の透明性がよりいっそう向上し、経営基盤も強化されます。
この制度の素晴らしさは、世界でもトップクラスと言われていますが、いま見直しの岐路に立たされています。

なぜ、このような事態が発生したのかというと、「企業の法人税引き下げ案」をきっかけに、その代替財源確保の意味もこめて、あらゆる税制が見直されることになり、NPO法人を含む公益法人等の税制優遇措置減免も、廃止も含む縮小の検討対象となったものです。

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■具体的な見直し事項は以下の3点です

1)みなし寄付金【認定NPO法人自身の税優遇】
認定NPO法人が収益事業で得た収益の一部を、特定非営利活動に該当する非収益事業の費用に充てた場合、一定の金額(所得の50%又は200万円のいずれか)までを寄付金とみなす、つまり課税されないように出来る制度。

2)寄付金損金算入限度額の拡大【企業の税優遇】
企業が認定NPO法人に寄付した場合、一般のNPO法人に寄付した際より、損金(経費)処理できる金額の限度を多くとることができる制度。

3)寄付金の税額控除【個人の税優遇】
認定NPO法人に寄付した個人が、税額控除の対象となり確定申告を行うことで、寄付金の約半額近くが還付される制度。(例:5万円寄付したら、そのうち2万4千円戻ってくる など)

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▶税額控除のわかりやすい解説はこちら
「認定とろう!NET」

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*本画像は「シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」よりお借りしました。

▶本問題を取り扱った新聞等の参考記事はこちら
東京新聞
日経BP
オルタナ(Yahoo!ニュース)
川田龍平参議員ブログ

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NPO法人アカツキは、ミッションの一つに「人々の参加と協力の仕組みを育てる」ことを掲げています。日本・福岡における寄付促進、市民の寄附市場による新しい経済の循環が、私達のミッション実現に大きく貢献すると考えており、今回の事態を重く捉えています。
今後、アカツキは東京のシーズと連携し、福岡でも学習会や、ネットワーク会議を開催し、もしかすると関心やつながりのあるNPOのみなさんに署名やインタビューなど、アドボカシー活動のご協力をお願いする機会も出てくるかと予想しております。

逆に、これによってNPO側が「認定取得をやっぱり見送ろう」と動いてしまうと、ニーズが無いと判断されてしまいますので、こんな時こそ認定を盛り上げ、私たち市民がしっかり声を出して、問題化しましょう。

現在の情報では、国会のスケジュールなどから、6月末で一旦の方向性が出て、秋にはほぼ結果が出るだろうとの見込みです。
今後もアカツキ&永田はSNSやメルマガなどで最新情報を配信していきますので、ぜひ引き続きチェックをお願いします!!

*5月29日にはシーズの第二回目のイベントが開催され、最新情報が公開されます。
▶イベント詳細はこちら