福岡県市町村職員研修所にて、NPOや協働等を扱う行政職員向け研修講師を担当しています

今年度アカツキでは、「福岡県市町村職員研修所」が実施する「一般職員2部研修・政策能力の向上」の研修講師を、アカツキ代表理事・永田と、副代表理事・佐々木が担当しています。

 

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福岡県市町村職員研修所とは、福岡県職員、及び県内の各市町村職員を対象に年間通じて様々な研修を実施している施設です。
アカツキでは、年8回開講される一般職員2部研修の、「政策能力の向上」パートを丸一日担当しています。

”多様化する住民ニーズに対応するためどう政策形成すべきか、NPO等との協働作業の実践例を通し、「協働」の概念等について”学ぶ(シラバスより抜粋)内容です。政策執務能力向上の一環として、ファシリテーションやプレゼンテーションに関する内容も含まれています。

本研修の受講者は、福岡県内の行政職員のうち入庁6~10年目の方が主な受講対象となっています。現在の所属部署に関わらず受講されるため、NPO関連部局でない方や、保育士や消防署の方、一部事務組合などの方もおられます。

 

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アカツキでは、これまで事業の一部で行政との協働事業を実施してきた経緯があり、また永田は現在、福岡市共働事業提案制度共働促進アドバイザーを務めており、佐々木も福岡県NPO・ボランティアセンターにて行政職員との協働勤務経験があることから、これらの現場での知見を活かした内容にて構成しています。

 

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講座の最初は、市民活動やNPOとは何か、についてしっかり触れる内容から始めています。

今回、「協働」に関する内容のご依頼でお受けしたのですが、これまでお会いしてきた行政職員の方々でNPO部局に配属になった方でも、文書事務に関する研修はあるものの、NPOの意義や価値、行動原理そのものを真正面から扱う研修機会はとても少ないという状況を聞き及んでいることもあり、研修担当者との打ち合わせを踏まえて内容を再構成しました。

 

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最初のアイスブレイクでNPOのイメージをグループ内で話してもらったところ、やはり「実態がよくわからない」「収入はどうしているのか」「ボランティアの人たちのイメージも強い」といった声が聞かれました。

社会課題を解決する施策として必ずしも協働が最良という時ばかりではありませんが、それでも協働が必要となった現場で、NPOと行政職員双方がお互いの行動原理の違い等を学び損ねた結果、誤解や不信が生じて、協働企画が頓挫してしまう事例もいくつか見てきたことから、そのような社会的に”もったいない”状況は繰り返したくないと考えており、この部分は特に意識してお伝えしています。

 

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午前中の後半は、地縁組織やボランティア団体、NPO法人を比較しながら、協働についての基礎的概念、またその実例紹介を通じて、協働を進めるためのポイントをお伝えしています。

以前に、アカツキが福岡県より受託し制作した、「ふくおかNPO50~CSRパートナーカタログ~」の内容等も盛り込んでいます。

 

 

 

午後の部は、最初に協働の現場で意識したいファシリテーションの手法や、社会課題解決のためのロジックを作ることを意識したプレゼンテーションの研修を挟んだ後、2つのグループワークを行います。

 

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1つめのグループワークは、協働の打ち合わせや実施の段階で遭遇しそうな、NPOとの対話事例を示し、各グループの中でどのような応対、話の組み立てを行うか検討してもらいました。

 

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途中に、全員で各班の回答内容を見比べて質問をしたりする時間を取った後、講師より講評と、実際のNPOと対話するときの注意や工夫を伝えています。

 

 

2つめのグループワークは、実際にNPOとの協働事業を企画設計するワークです。

今回このワークにあたり、特定非営利活動法人子どもNPOセンター福岡さんが発行する「ふくおか子ども白書2014」の使用許諾を得て、活用させていただいております。

 

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あらかじめ課題図書として本白書の一部を配布し、当日はその内容を基に解決する社会課題の特定や目指す成果、どのような役割においてNPOと協働を行うかも含めた解決手法等、について検討してもらいました。また発表の際には、施策の実施「結果」と「成果」を分けて考えるようこともお願いしています。

 

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非常に限られた時間での検討にも関わらず、どのグループの参加者も現在の所属部署で抱える課題や、”課内協働”などの経験を基にディスカッションが進みました。

 

 

本研修の受講者は、年齢層も比較的アカツキの職員と近い30歳前後の方が中心で、その点では、これから一緒に福岡の社会に関わっていく仲間の方々に向けてNPOや協働のことをお伝えする貴重な機会を頂戴したと捉えています。

今回の研修受講者が、数年後に各セクションでNPOと出会ったとき、または協働事業を企画したり管理職として決済判断する立場になったときの「NPO像」の一端を、私たちがお伝えしているということを深く自覚し、緊張感を持って残りの研修も進めてまいります。