「NPO法成立20周年記念フォーラムin九州」を開催しました

NPO法成立20周年を記念して、NPO法成立の経緯や法に込められた想い、市民活動の今後の展開のヒントなどを学ぶフォーラムを2018年11月18日、博多バスターミナルホールで開催しました。参加者は59名、スタッフや関係者も含めると71名が集まりました。

主催のチームを作ったのは、認定NPO法人アカツキ永田と、一般財団法人くまもと未来創造基金 の宮原美智子さん、Hands-Onながさき 関根志朗さん、3組織/3名でした。

前半の第一部では、当時参議院議員であり、NPO法の制定当時、民間側の中心だった「シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」の松原明氏、政治側の中心を担った、元参議院議員/元千葉県知事の堂本暁子氏を特別ゲストに迎え、改めて「NPOの意義と意味」について考えました。

当初、「市民活動促進法」として提案されたものが、市民とは“革命を起こそうとする人”というイメージでとられてしまい、“自立した個人”とは受け止められなかったため、妥協案として「特定非営利活動促進法」になったという経緯や、NPO法に埋め込まれた転換のポイントは、以下の5つであったことなどが解説されました。

1.個人から組織へ、
2.国家(政府)公益から多元的(市民)公益へ
3.無報酬から非営利へ
4.仲間内から参加促進へ
5.行政監督から市民社会の自治へ

 

そして、これまで手段としての非営利(=財産を再分配しない)だけに焦点があてられ、目的としての非営利(=参加と協力を推進するための約束)が見失われてきたことにより、NPOの企業化が進みすぎていないか、結果としてソーシャルビジネスはNPOの強みを自ら放棄してしまっているのではないか という話がなされました。

後半の第二部では、福岡からNPO法人I-DO[旧名称:タウンモービルネットワーク北九州]の濱田千夏氏、熊本から認定NPO法人NEXTEPの佐々木大河氏、佐賀から特定非営利活動法人かいろう基山の松原幸孝氏に登壇頂きました。

進行はアカツキの永田が担当し、お三方には「自団体の活動を一言で表すと?」「自団体のNPOらしさ=参加と協力が起こる場面はどんなところ?」「団体と活動の5年後の未来は?」という質問を投げかけ、回答していただきました。
いずれの団体の取り組みも、集まる世代やアプローチの方法は違えども、ボランティアの参加・いきがい・成長などがキーワードとして語られ、だからこそ社会が変わっていくということが具体的に感じられました。

参加者同士の感想の共有ののち、最後に改めて堂本氏と松原氏から、市民のネットワークづくりを通して社会を代えていくことの重要性、また、NPO法の力を活かすための以下の5つのコツが共有され、盛会のうちに終了しました。

1.他力本願
2.場を設計する
3.自主性を尊重する
4.活動をするための組織をしっかり作る
5.社会全体の構造を考える

 

今回の企画には多くの方が協力くださり、準備から当日の打ち合わせまで、楽しい雰囲気で行うことができました。また当日に西日本新聞の取材があり、記事化してくださいました。誠に、ありがとうございました。

後援:北九州市、長崎県、熊本県、大分県、一般財団法人九電みらい財団、福岡市、福岡県、佐賀県
協力:NPO法人地域ひとネットNPO法人おおいたNPOデザインセンター、日隈諒[特設Webサイト制作]、公益財団法人佐賀未来創造基金
助成:公益財団法人トヨタ財団

なお、本企画は全国8箇所で開催されるフォーラムの一環であったので、終了後11月21日にNPO法施行20周年記念フォーラム「これからの市民社会20年を語るー地域、日本、そして世界からー」で、アカツキ永田が登壇し、福岡の内容を共有させていただきました。

この機会で学んだことを、今後地域の中でしっかり活かしていきたいと思います。